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テーマ　177　極地探検家アーネスト・シャクルトンに見る 　　　　　　　　　リーダーのあり方 　　　　　　　　　 ■アーネスト・シャクルトンの行動 アーネスト・シャクルトン（1874/2/15―1922/1/5）は イギリスの極地探検家です。 1915年1月、南極探検隊の船エンデュアランス号が 流氷に囲まれて身動きが取れなくなると、 シャクルトンは船員たちに 通常業務を続けるよう命じました。 流氷の真ん中で厳しい冬を越すためには、 規則正しい生活と任務によって、 先行きが不透明な状況にも一定の秩序を 保つことが重要だとシャクルトンは考えました。 水夫はデッキを掃除し、科学者は標本を集め、 それ以外の船員は食料調達のための狩猟を任されました。 状況が悪化し、船が氷に押しつぶされ海水が浸水し 船内に居住することが難しくなると、 流氷の上にキャンプを設置するよう シャクルトンは船員たちに命じました。 1916年4月、氷が割れ、氷上でのキャンプが難しくなると シャクルトンは隊員に救命艇へ移り、 一番近い陸地へ向かうことを命じました。 海上で5日間苦闘した後、彼らはエンデュアランス号が 沈没した地点から550�q離れたエレファント島に上陸しました。 エレファント島は人が住めない土地であり、 一般の航路からも遠く離れていたためシャクルトンは、 救援が期待できる1300�q離れたサウスジョージア島の 捕鯨基地まで、救命ボートで航海することを決めました。 悪戦苦闘の後サウスジョージア島の捕鯨基地へ たどり着いたシャクルトンは、救援隊を率いて、 船員たちが待つ無人島へ救出に向かいます。 ここでも3度にわたる失敗を乗り越えて、 1916年8月30日、４回目にようやく仲間が待つ 無人島に戻ることができました。 命を落とした者は一人もおらず、 シャクルトンは全員を故郷に帰すことができました。 ■日頃の行動の積み重ねが部下からの信頼を得る この物語を読んでそれぞれの方が いろいろな感想を持つと思います。 リーダーとしてシャクルトンの行動の素晴らしい所は たくさんあると思いますが、主要な点として 下記のようなことが上げられると思います。 ・全員生きて帰るという強い信念を持ち、 　それを全員に浸透している。 ・状況に応じて希望を与える目標を設定し、 　それを全員に浸透している。 ・けっして諦めない。 ・体は疲れても、心は疲れない、ひるまない、 　弱気にならない。 この物語は、極限状況でのリーダーの行動ですが、 職場の日常においても管理職者は下記の様な行動が重要です。 ・仕事の目的、目標を必ず達成するという強い信念を持つ。 ・部下一人ひとりに希望を与える目標を設定する。 ・目標達成の過程で様々な課題に直面しても心は疲れず、 　諦めない。 このようにシャクルトンの行動は実務の上で 参考になることが多々あるかと思います。 また、非常時に部下の方の信頼を得て行動するためには、 日頃の行動の積み重ねが重要と思います。